手術を使った治療

病気やけがになった場合、症状によって異なる治療方針が取られます。
薬を使って症状の好転を測るケースがまずあって、内科ではこのような治療を実施します。

ただし症状によっては、病巣そのものを除去しないといけないとか、壊れてしまった器官を修復する必要のあるケースも出てきます。
けがの場合、骨折などで変節した部位をもとに修繕する必要もあるかもしれません。
このような場合、手術というアプローチで治療する必要があり、このような治療法を主に駆使する診療科目を外科といいます。

外科には病気やけがでいきなり診療に訪れるということは少ないです。
まずは内科に行って、どのような病名なのかを診察してもらいます。
そして外科的治療が必要と判断された場合に初めて、外科を受診する形になるでしょう。

内科と外科の違い

薬物療法をとるか、手術的療法をとるか、治療に対するアプローチで内科と外科は異なります。
その他にも診療科目の発達のプロセスも違った道をたどっています。

内科の場合、内分泌学や呼吸器学といった感じで、臓器や機能で分化していきました。
しかし外科は手術による治療を前提にしているので、頭部や胸部、腹部、四肢といった体の部位別で特化していった経過をたどっています。

たとえば先ほど紹介した内分泌学は、脳下垂体や甲状腺、副腎といった内分泌臓器の治療を取り扱っています。
しかし外科の場合、下垂体は脳神経外科、甲状腺は甲状腺外科、副腎は泌尿器科といった感じで別々の診療科目で取り扱うわけです。

またもともと外科の領域に合ったのですが、医療の発展によって専門性が高まり、今や独立している診療科目もあります。
眼科や耳鼻咽喉科、泌尿器科、皮膚科、産科、婦人科はもともとそれぞれの器官の外科的治療を行う分野だったのですが、今では外科からは完全に独立した格好になっています。

不安を感じる患者が多い

外科で治療にあたっている患者の中には、手術をこれから受ける人も少なからず存在しています。
手術というのは、誰でも多少の不安を持つものです。
「本当に病気が治るのか?」「手術は本当に成功するのか?」といった不安で、自分の体にメスを入れるのでどうしてもネガティブなことを考えてしまう人も多いです。

患者の中には、手術のことについて詳しく聞きたがる人も多いです。
また患者の家族が手術に関する説明を求める傾向もあります。

このような患者のメンタル面でのケアを行うのが、私たち看護師の重要な役割といえます。
どのような手術を行うのか、どのようなリスクがあるのかといったことを和解やすい言葉で説明をして、患者やその家族に納得してもらいます。

その他にも手術後は一見成功したかのような手術でも、後になって容体急変することもあります。
そこで患者の体調の変化の観察なども担当します。

身近な医療

病院の診療科目を見てみると、内科を掲げている所は結構多いと思います。
内科は病院の中でも玄関のような役割を担っている診療科目です。

体の調子がどうもおかしい、日常生活の中でけがしてしまったという患者がよく訪れます。
そして医者は患者の抱えている症状の原因がどこにあるのかを把握して適切な医療を受けるための診察を実施します。

風邪や頭痛、お腹が痛い、ちょっとした切り傷のような頻度が高いありふれた病気や症状の場合、内科で処置することもあります。
しかし現れている症状はありふれたものでも、その原因を探ってみると思わぬ病気が陰に潜んでいるというケースも考えられます。
そのような場合には、よりその原因となる病気を専門的に扱っている診療科を紹介します。

このように病気やけがしてしまった人の入り口に、内科があるといっていいでしょう。
何か調子が悪い、でもどの診療科目に行けばいいかわからないということも往々にしてあるでしょうから、その場合にはとりあえず内科を受診するといいでしょう。

細分化が進む

昔は内科という診療科目を掲げている病院やクリニックが多かったです。
しかし最近では、内科の中でも細分化が進んでいます。

消化器内科や呼吸器内科、循環器内科、血液内科、内分泌内科、腎臓内科、神経内科といった感じで個別の組織や器官に特化して治療を行う傾向が出てきています。
より狭く深く診療や治療が行えるというメリットがあります。

しかし患者としてみれば、自分はどの診療科目に行けばいいのかわからないという弊害もあります。
医療の専門的知識を持っている人は少ないでしょうから、判断付きかねるわけです。

そこで一般内科や総合診療部といった診療科目を掲げている病院も出てき始めています。
調子が悪ければ、まずこちらにといった感じの科目です。

クリニックと病院の内科

クリニックや大きな総合病院や大学病院のいずれにも、内科はあります。
しかし両者ではその役割に違いがあります。

クリニックの内科の場合、施設は決して大規模ではありません。
このため、処置できる内容にも限界があります。

たとえば内科系の疾患の中でも手術をはじめとして、高度な医療技術の必要な患者もいるかもしれません。
その場合には紹介状を作成して、大きな病院を受診するように勧めます。
主にクリニックでは、風邪などの軽い症状の治療を行います。

総合病院や大学病院の内科の場合、中程度から高度の医療技術の必要な患者に対して治療を行います。
最近では高血圧症のような生活習慣病の治療のために訪れる患者が増えています。

その他には複数の疾患を抱えている患者も先ほど紹介した細分化された科目に振り分けると患者の負担も大きくなるので、内科で治療します。
一般的な風邪の症状で、いきなり総合病院や大学病院を訪れる患者は救急でもない限り少ないです。