早期発見が重要

病院で働いていると、色々な症状の患者さんに出会います。
かなり軽い症状の人もいれば、非常に重い状態になってから病院に来る人もいるのですが、個人的には出来るだけ軽いうちに病院で診てもらうのが重要ではないかと思っています。

勿論、大したことがないのに病院に行ってばかりいるのはあまりお勧めできませんが、苦しいのにずっと我慢しているのもあまりお勧めする事はできません。
病気に関してはどういうものであっても軽いうちに何とかするほうがより短期間で治っていきます。
重要なのは早期発見・早期治療だからです。

循環器系の病気に関しても同様の事が言えて、今までの状態とはちょっと違うのではないかと感じた時は病院で診てもらうようにするのも良いでしょう。
勿論なかなか症状が出てこない事も少なくありませんが、そういう場合も何となく変だと思ったら病気を疑ってみるとか、年齢が上がってきたら病気になっていないか注意する、そういう姿勢も重要なのではないでしょうか。

やはり、病気に関してはその前触れに気づく事、これは非常に重要です。
病気というのはある日突然、何の前触れもなく急に重い症状が出てきてしまうという事はまずありません。

例えば急に立ったら立ちくらみをする頻度が上がったとか、今まではおいしいと感じていた食事があまりおいしくない、そういうちょっとした変化は誰にでもあるでしょう。
ただそれはあまりひどい物ではないので軽視してしまう事も多く、また何の根拠もなく「大したことないから」と判断しがちです。

しかしそれを放置しておくと悪化してから病院に行く事になり、なかなか治療が進まないなんていう事もにもなってしまいかねません。
だから普段の様子と違うと思ったら、病院で診てもらうようにしましょう。

客観的に自分を見る

また普段の様子が分からない人は、出来れば自分の事を客観的に見てみるのもお勧めです。

それ以外で重要な事は、やはり健康診断に定期的に行くという事になります。
車なども長持ちさせるためには適度なメンテナンスが必要ですが、体も同じで定期的に点検をして故障個所や不具合が見つかったらその都度修理するようにするのが非常に重要です。

普段から健康に留意した生活を送る事、そして出来るだけ自分の体に対して過信する事無く思い込みで色々と判断しない様にする、そうする事で病気の前触れにも気づく事が出来るでしょう。
だから年1回の人間ドックとか、誕生日が来たら病院で簡単な検査をしてもらうとか、そういうのを習慣化するのをお勧めします。

平均寿命と病気

日本人の平均寿命がかなり長くなった今、老後の課題の一つは健康な毎日を送る事が出来るかどうかという事ではないでしょうか。
ただやはり老化には逆らう事はできないので、加齢に伴って様々な病気が出てきてしまう事も少なくありません。
だから心臓とか血管など循環器に関しても老化してしまい、結果的に機能が低下してしまう事もあるのです。

ではそのような機能の低下によってどのような病気が起きてしまうのでしょうか、またお年寄りに多い循環器系の病気とは一体どういうものが多いのでしょうか。

例えば加齢によって心臓にも変化が起きてしまいます。
心臓は生きている間ずっと動いている物なのですが、加齢に伴って次第に心筋と心筋の間に異物が付着したりコラーゲンが増えてしまいます。
それだけで済めばいいのですが、それによって心臓肥大や心不全が起きやすくなってしまう事があるので注意しましょう。
また心臓には様々な変化が起きやすく、心臓弁膜症や房室ブロックなどが起きてしまう事もあります。

これらは症状が出ている事もありますが、病院にいらっしゃる患者さんを見ていると、症状は出ていないけれど検査をしてみたら実はという事も少なくありません。
加齢に伴って心臓に変化が起きますが、血管にも勿論変化が起きてしまいます。
例えば弾力性の低下や内膜の石灰化などがあり、脈拍伝播速度を見てみるとかなり上昇しているという患者さんも少なくありません。
また動脈に比べると静脈の方が変化が起きにくいのですが、静脈瘤ができてしまったりむくみやすくなってしまう方もいらっしゃいます。

病院にくる人を見て

私が働いている病院には大勢の患者さんが毎日来ていて、中には定期的に検査の為に来ているだけの方もいますが、中にはなかなか調子が良くならずに通っている人もいて、そういう方を見ていると早く良くなってもらいたいなと思っています。

ただやはりお年寄りは体の表面だけでなく内側も変化してしまうので、そういう加齢に伴う変化による病気をいかに防いでいくか、また軽い状態で抑える事が出来るかと言うのが重要な課題なのではないでしょうか。

ちなみにこれらの循環器系の病気は、いつも調子があまり良くないという人も中に入りますが、そうではなくていつもは元気で症状は出ていないので大丈夫かと思っていたら寝ている最中とかお風呂に入った時などに急に起きてしまう事も少なくありません。
ご家族に高齢者がいるご家庭などは、そのような時にも注意しておくのが良いでしょう。