病床数の違い

皆さんの近所に「○○病院」とか「○○クリニック」といった看板を掲げて診療している所があるはずです。
いずれも病気やけがの治療をする医療機関であることに違いはないのですが、病院とクリニックにどのような違いがあるのかわからないという人も多いはずです。
病院とクリニックの最大の違いは、病床数の違いです。

医療法という法律があるのですが、その中に病院の定義として20床以上の入院施設のある医療機関と定められています。
つまり入院患者のためのベッド数が20床以上ないと、病院とは名乗れないわけです。

皆さんの近くのクリニックをイメージしてください。
入院施設のない所も多いはずです。

またクリニックの病院との違いの中に、医者でなくても開業できる点が挙げられます。
ですから日本全国のクリニックの中には、市町村や医療法人、社会福祉法人が開設している所も案外多いのです。

スタッフの人数

スタッフの人数に関しても、条件があります。
病院の条件として、医者が3人以上、看護師は患者3人に対して1人以上、薬剤師が1人以上在籍していることが条件といわれます。

一方クリニックの場合、別にスタッフの数に関して決まりはありません。
個人医院もたくさんあって、院長の医者一人ですべての患者の診察を担当しているケースもあるほどです。

病院勤務をしていると、クリニックへ転職したいという看護師も多いです。
先ほども紹介したようにクリニックは入院設備のついていない所が少なくありません。
よって夜勤を担当することがなく、楽に仕事できると思うからです。

確かに昼夜逆転の生活は、体の健康管理をする中ではかなりのハードルです。
日勤だけになれば、生活リズムも取りやすくなります。

しかしクリニックになると、看護師が2~3人程度しかいないという所もざらにあります。
一人で複数の仕事を担当しないといけないので、仕事中はかなり大変という意見もしばしばみられます。
それなりに実務経験のある人でないと、テキパキと仕事をこなせない可能性もあるわけです。

まずはクリニックで診察を

もし病気やけがで診療を受けたいと思ったのであれば、まずは近所のクリニックを訪れてみることです。
そして軽症や大した病気でないのなら、クリニックで治療を受けます。

しかし診察の結果、重大な病気が疑われる場合も出てきます。
その場合には精密検査や手術などの大掛かりな治療が必要になります。
そうなると検査や治療設備がクリニックよりも整った大規模病院を受診すべきです。

この時クリニックの医者は、紹介状というものを作成してくれます。
その中には患者の症状が事細かに書かれているので、同じ検査を病院でまた実施するなどの二度手間が省けるのです。
ですからまずはクリニック、症状が重たければ病院に行くための紹介状を書いてもらいましょう。

範囲の広い診療科目

耳鼻咽喉科のクリニックが近所にあるという人も多いでしょう。
この耳鼻咽喉科ですが、取り扱っている領域が非常に広いことで知られています。
顔面から頸部までに臓器一般を取り扱っていると見ていいでしょう。

具体的には耳や鼻、口、のど、甲状腺といった箇所までをカバーしています。
耳鼻咽喉科は、耳科と鼻科、咽頭科、喉頭科という4つの領域の総称です。
以前は気管や食道を取り扱っている所も多かったので、耳鼻咽喉科ではなく気管食道科という名称で営業していたクリニックもあったほどです。

耳科学について

耳は外耳と中耳、内耳に分類できます。
耳科学とはこの耳のすべての領域を対象にして、耳で生じる疾患に関する研究を行います。
その他にも聴力や耳の中にあるバランス感覚をつかさどる三半規管の研究を行っている分野でもあります。

めまいにかかったことのある人もいるでしょう。
めまいというのは、体の向きや勢いを感じる器官の異常で、それは三半規管や耳石器といった耳の中の異常と考えられます。
このため、めまいを頻繁に感じて診療してほしいというのであれば、耳鼻咽喉科を受診した方がいいかもしれません。

鼻科学とは

鼻科学とは、鼻の内部における疾患などの研究を行う領域になります。
鼻炎などの治療が主要です。

春先になると鼻水や鼻づまり、くしゃみに悩まされる人も多いでしょう。
花粉症といわれる症状です。

花粉症はスギやヒノキなどの花粉に対して、アレルギー症状を引き起こすことです。
先ほど紹介した花粉症に伴う鼻の疾患は、アレルギー性鼻炎といい、鼻科学の研究領域に含まれます。

咽頭科学とは

咽頭科学とはのどに関わる疾患などを研究する領域です。
咽頭がんや扁桃腺の病変といったことが治療の対象になります。

似たような領域を取り扱う学問として、口腔外科学があります。
口腔外科学と咽頭科学は、解剖学的には連携する分野といえます。

喉頭科学

喉頭科学の中の喉頭は、一般の人にはなじみのない言葉かもしれません。
高騰とは、甲状軟骨によって囲まれた臓器のことを指し、嚥下や発声といった私たちが日常生活を送る中で欠かせない領域に関係した組織といえます。
喉頭科学はそれぞれの生活の質に多大なる影響を与える箇所として、重要視されています。

声がしわがれている人を時たま見かけますが、これは声門がうまく振動していないことが原因です。
振動しない原因にはいくつかあって、神経麻痺によって、生体の可動域が狭くなっていることが一つの要因として考えられます。
もしくはポリープやがんができて、腫瘍が邪魔して声門の振動がうまくいかないケースもあります。

このように耳鼻咽喉科では、幅広い領域の疾患や異常を取り扱っています。
耳や鼻、のどのどこかの調子がどうもおかしいというのであれば、とりあえず近所の耳鼻咽喉科に通った方がいいと思います。