職場は戦場

いつもの姿というのがまるで戦場さながらに忙しいという印象がある東大阪市の総合病院は、ここに看護師として勤める私が言うのだから相当な物だと思います。

特に春先になるとかなりの人たちがここにやってきて、なんともいえない空気になってくると思えるのです。
夜勤でも入院患者さんがけっこう頻繁にナースコールをしてくるので、それぞれに対応する必要があり、男の私でもちょっと疲れ気味になってくるというのが正直な所なのです。私にとってこれがいつもの事なので、いい加減慣れましたけど、始めての新人さんはかなりとまどっていたのを覚えています。

もともと東大阪市には長く住んでいたので、私はこの土地となじみがあり、土地柄等も知っているせいか雰囲気には親しみがあります。
たくさんの経験をしたこの総合病院は内科から何からほとんど全ての患者さんを受け入れる体制ができていて、しかも人がひっきりなしに訪れる人たちで活気がある印象が最初からあります。

それはこの東大阪に限った事ではなく、一般的に多くの人たちが病気や怪我をしたらまず地域で一番手広く対応をしている知名度の高い総合病院を選ぶという事があるからで、実際にこういった病院で受けられる治療は手厚い物があると噂になっています。

治療レベル

ここで実際に働いている私も確かに治療レベルの高さは実感しており、それだけの物があるというふうにいつも感じているのです。
私たちにとって患者さんはいつも違った形の驚きを与えてくれる存在です。

老若男女誰もが対応できるような形で存在しているこのような病院は、勤めているうちに自分でもわかりましたが、とにかく忙しいという印象があります。これは勤めている医師の数や看護師の数も多いですが、彼らが担当する患者さんの数も半端ではなく多いので、そういった点からいうとバランスがとれていない部分がけっこうあり、それがとても多くの面で影響してきます。

ただ、そこは医療関係者のレベルの高さで対応している点があって、しっかりとした形で患者さんの要望に応えられるようにし、自分らしいスタイルを維持しているというイメージが定着しているのです。病院というのは体になんらかのトラブルを抱えた人が来る場所ですから、いつでも安心して来られる状態が望ましいのです。

現に私は東大阪で看護師としてずっと働いていますけど、一度もやめたいと思った事はありません。
これは、長年住んでいるこの町が好きだと言う事もあり、なじみになっている人たちもかなり多く存在しているので、そういう点から言うと私にとっては思い出深い場所です。実際に東大阪という場所柄か、来る患者さんもにぎやかで明るい人たちが多い印象を受けていますので、そういった点からするとなんとなく私の性格に合っているような感じもします。

総合病院なのでかなり見る場所も広く、大変ではありますが、なんというか充実感があって仕事をしているという実感を持つ事ができるようになっているのです。

看護師業界と男性

最近、かつては女性の職場とされていた看護師の世界に、男性が飛び込むようになってきました。
男性の職場とされてきた医師の世界に、女性が飛び込むようになったことと反対の現象です。
男性には看護はできないと思われていましたが、男性だって上手に看護の仕事ができると思います。

一つに、看護の仕事は重労働だということが挙げられます。
重労働の内容はさまざまですが、重いものを持つという作業は、体に大きな負担をかけます。

その点、男は女に比べると、もともと体ががっしりできていますし、当然のことながら女性よりも力持ちである場合がほとんどです。中にはひょろひょろして力のない男もいて、パワフルな女性に負けてしまっているようなのもいますが、看護士を志すくらいの男子なら、女性の代わりに力仕事をしようと思っているはずです。
けれど、どうにも女性が多い職場というのは、少々ねちねちした雰囲気になる傾向にあるようです。

とくに、これまでは女性の、それも神聖な職場というイメージを持っていた人がいるようなところでは、男のくせに何ができるのか、といった見方をされることもあります。
そうしたところで新米として仕事をするのは、仕事だけでなく、精神的にも試されることが多くなります。

けれど、それを乗り越えないと、男性看護士は今後、増えていかないと思います。また、本能的に男は女よりも上に立ちたい、という気持ちがどこかにあると思いますので、それを克服することも日常の勤務の中では重要です。

患者さんの対応

それを克服したら、次に待っているのが患者さんです。
患者さんも、男性看護士を快く受け入れてくれる人もあれば、男は嫌だ、と毛嫌いされることもあります。
まだ看護の世界に男が入って、時間がそれほど経っていないため、仕方ないとはいうものの、やはり拒絶されるとがっかりもします。
これもまた、看護の世界で男性が乗り越えていかなければならないハードルなのだと思います。

東大阪に在住し、東大阪の総合病院に勤めることは地域の情報に詳しく、それがきっかけで患者さんとコミュニケーションがとれるというメリットがあると思います。そのメリットを最大限に活かし、積極的にコミュニケーションをはかり、男性看護士もいいものだと思ってもらうようにすることが、これからは重要だと思います。

総合病院であれば、男性看護士もいるのだ、ということを、比較的容易に受け止めてもらえるでしょうから、その立場を最大限に利用し、男性看護士の価値を高めなければ、と思っています。そうすることで、職場の特殊な雰囲気も改善され、男女雇用均等法ではありませんが、男女が同じ比率で働ける職場になるといいと思います。

そうなれば、力仕事は男性看護士が担当し、男性が苦手とする細かな作業は女性看護師が担当する、と言った具合に、役割分担も進むと思います。
それが、お互いに看護の分野で役に立てるということを、新しく認識することにつながると思っています。