大阪の生活保護

生活保護費の不正受給などがニュースを騒がせていますが、
私の住む大阪府は全国一位の生活保護費の支給対象者の府となっています。

府内のあいりん地区などでは4人に1人の方が生活保護を受けいるそうですし、
私が住む、東大阪市にもかなりの人数の方が生活保護を受給しています。
もちろんも、すべての方が不正受給をしているという訳ではありません。
仕事がしたくても、身体を壊したり、年齢的に仕事をすることが困難な方などが仕方なく生活保護を受給されている場合が多いという事を知って頂きたいと思います。

ご存じの方もいるかと思いますが、生活保護を受給すると、医療費の負担額がなくなります。
簡単に言えば、医療費が無料なるという事ですが、だからといって、
誰もかれもがむやみやたらに医療機関を受診している訳ではありません。

私は市内の総合病院で看護師として働いていますが、
生活保護を受給している方が受診をする事は全体の割合として1割未満となっているようです。
これは一部で言われているように、生活保護を受給を対象とした医療機関があるという事も理由のひとつかもしれませんが、このような生活保護を受給を対象とした医療機関を受診される方は個人的には多々意見がありますが、
ここでは割愛をさせていただきます。

安易に受診をする人はいる?

ただ、私が勤める総合病院を受診される患者さんは医療費がタダだからという理由で安易に受診をされている方はいらっしゃらないと私は思っています。
受診をされるみなさんは「申し訳ない」という気持ちで病院にいらっしゃっていると感じられるのです。
我が家の近所に一人暮らしの60代の女性の方がいらっしゃいます。

子供さんはいらっしゃらない方で、妻の話によると、旦那さんと数年前に死別をされてそれ以来一人暮らしだそうです。たまたま妻が知ってしまった事なのですが、この方は生活保護を受給をされているそうです。
どんな事情があるのか…そこまで踏み込んだ話は聞くこともできませんし、それは個人のプライバシーの事なので、私たちには聞く必要もない事だと思っています。

妻の話によると、スーパーなどで会っても、とてもつましい生活をしているらしく、値引きをされているモノ、見切り品などを購入しているそうです。
そして、先日、体調が悪そうだったので、病院に行く事を勧めたら「大丈夫だから…」とおっしゃっていたそうです。
その方が今日、私の勤めている総合病院に緊急搬送をされていきました。

軽い肺炎だそうです。
ドクターに「もっと早く病院にこないと…」と諭されたその人は「これ以上、みなさんのお世話になっては申し訳ないから」と言われていたそうです。
その方はしばらく入院することになり、私が勤務する内科病棟にいらっしゃいます。

近所のお友達らしき方が入院に必要なものを準備してくれていました。
生活保護を受給されている方の中には、このような暮らし、考え方をされている方もいるという事を知って頂きたいと思います。

患者さんと一体感?

一体感を感じる東大阪市では、私のように長い間ここに住んでいる人間がけっこう多くなっており、病気になれば病院にも行くという形で生活している状況です。

私はこの町で長い事総合病院に看護師として勤務しているのですけど、来る患者さんには男の看護師と言う事でけっこう珍しがられた時期がありました。
今はこの職場で男も珍しくないので、そういう点から言うとレアな存在だったのかもしれません。

もともと人が多いこの地域では、基本的に患者さんとなる人の数も多く、常連さんから突発的な急患まで、数多くの人たちが訪れています。
特にここの所多くなったのが子供の患者さんで、小児科のある病院がこのあたりには意外とないらしく、すぐにこちらに運ばれてくるのです。

総合病院の毎日は前日の引継ぎと病棟患者さんのケアから始まっています。
私は担当の患者さんの健康状態がどのような物かをチェックし、異常がない事に安堵してから勤務の事を考えるようにしています。
これは、何か考え事をしながら脈をとったり患者さんと接すると、患者さんが発するメッセージを聞き逃したりしていい結果が生まれないという事につながってくるからです。

私の場合は常にそういう雰囲気があるので、まずはしっかりとしたケアをしていく必要性を感じており、じっくりと自分の状況を見据えた上での対応を行っています。
これは精神的な安定をもたらすのにも効果的で、私たちがいつも感じている魅力という面においてもしっかりとしたケアができるようになっています。

患者さんの接し方

患者さんと接しているうちにわかるようになってくる事は意外と多く、その人が何を欲しているのか、自分が何をすればいいのかという事についても真剣に考える機会が生まれてくるのです。
特に人は誰かに自分の状況を伝えたい時には多くのサインを出す物で、私たち看護師はたとえ忙しくてもそのサインを見逃してはならないと常に肝に銘じています。

この感覚は総合病院に勤務する事になった現在でも変わっておらず、自分がいかにして毎日をつつがなく過ごしていくかという点にも関係しているので、そういう点から言ったらかなりの面で日常的な部分を重視している結果につながっているでしょう。

何気なく過ごしていてもやはり病院という場所はめまぐるしい場所であり、特に人が半端ではなくたくさん訪れる総合病院は、それを受け入れられるだけの度量とその他の面での実力が試される場であると認識しています。

それは、ここで扱っている患者さんの種類が多種多様であるという事実と、私たちがいかにしてそれを認識して生きていくかという事を現実的な要素としてとらえ、しっかりとしたビジョンを形作っていくという事を中心にしていく努力をしているからなのです。

私にとってはそれは特別なニュアンスを持った事になっており、実に豊富な経験をさせてくれる場としても大きな役割を果たしているというふうに感じられ、そこから得られる物はとても多いのが理解できます。