今年の夏

電気が足りない

今年の夏、関西地域では電力不足が叫ばれています。
私の住む、東大阪市も例外ではありません。
既に地域で配られてくる冊子の中には、
今年の夏の節電へ向けてのノウハウがいろいろ記載されています。

これは去年の夏、関東地方を始め全国で展開されていた「緑のカーテン」と呼ばれる
ゴーヤを植えたり、打ち水の奨励、エアコンの設定温度、
節電家電への買い替え等を勧めているものです。
ご丁寧にも『節電』と書かれたうちわまで配布されてました。
そして私の子供が通っている幼稚園では既に緑のカーテンに見立てて、
今年は朝顔を植えるらしく、種まきを先週終えました。

妻は去年に引き続き、マンションのベランダにゴーヤを植えるんだと意気込んでいる。
昨年の電力不足の際には、関東地方で輪番停電が実施されご苦労をされた方も
大勢いるし、夏には出勤時間を早めたり、オフィスの蛍光灯を減らしたり、
エアコンの使用を極力控えたりという光景をニュースで目にした。
東海地方では自動車関連の会社が週末の休みを電力の余力のある平日に
変更して対応していたりしたらしい。

いまのところ関西ではそのような対策を考えてはいないようだが、
この夏が一昨年のような猛暑になった場合に果たして
持ちこたえることができるのだろうか?

家庭や企業などで突然の停電ということになる可能性というのはないのだろうか?
私は市内の総合病院に勤めているのですが、
病院にとって電気というのはかけがえのないものです。

その電力によって、生きている患者さんもいらっしゃる。
手術中や処置中、そして今ではカルテも電子カルテを使用しているので、
電気は欠かせないものなのです。

病院は大丈夫なのか?

一応、私の勤める病院では突然の停電に備えて自家発電を備えてはいるものの、
その電力にも限りと言うものがあります。
病室の一部屋一部屋までの空調を賄うほどの電力はありません。

真夏の暑い中、容体の悪い患者さんが空調の聞かない室内で寝ていなければ
ならないという事態にならないかと今から不安がよぎってしまいます。
しかし、まだ自家発電を備えている病院は良い方です。
小規模の医院やクリニックなどでは自家発電を備えていない医療機関も多いのが
実情なのです。

それら自家発電の完備されていない医療機関で働く職員、
そして患者さんの不安はいかばかりかと思います。
医療機関だけではありません。

自家発電を完備していない企業、学校などもたくさんあります。
ご自宅に自家発電を備えているお宅がどれほどあるでしょうか?
そのような事を考えていると、この夏の電力不足のニュースを聞くたびに、
果たして何も講じないまま、市民と企業の節電意識・努力だけで電力不足に
陥ることなく日々を過ごせていけるのかどうかということが不安になってしまいます。

東日本大震災によって被災された方は、まだまだ苦難な日々を送っておられるとは思い、
ご心痛を察するばかりですが、近々に迫ったこの夏の電力不足という問題も
私たち関西地域に住む人間にとっては大きな課題となっているのです。